みどころ

文化財

高遠山古墳出土品

所有者 中野市   所在地 中野市立博物館

高遠山古墳出土品は、平成9・11年(1997-1999)の中野市教育委員会による高遠山古墳の発掘調査で発見されたものです。
 高遠山古墳は中野扇状地とそれに続く延徳田圃の水田地帯を見渡せる比高25mほどの尾根上にあり、全長51m余りの前方後円墳です。後円部に並列する2基の埋葬施設があり、副葬品が埋葬当時のまま出土しました。また、埋葬施設の周辺からは土器が見つかっています。
 第1号棺は木棺を粘土で覆ったもので、鉄剣3・銅鏃4・鍬鋤先1・ヤリガンナ1・管玉4・ガラス玉5が納められていました。第2号棺は竪穴式石室に木棺を納め、石室と木棺の間を木炭で充填した特異なもので、鉄斧1・ヤリガンナ1・刀子1が出土しました。第1・2号棺とも棺材や遺体は腐朽し、まったく残っていませんでした。これらの出土品や埋葬施設の内容は、4世紀前半頃の特徴を示しています。
 高遠山古墳は、善光寺平はもちろん、東日本でも最も早く造られた前方後円墳のひとつです。市内の七瀬双子塚古墳・金鎧山古墳・姥懐山古墳などに先立ち、この地域で最初に造られた前方後円墳です。
 また、古墳は後世に荒らされていることが多いのですが、この古墳では築造当時のまま副葬品が出土し、埋葬当初の様子が残されていることも希少です。
 前方後円墳は現在の奈良県地方を中心に三世紀頃から発達し、全国に広がりました。各地の勢力が近畿地方の政治勢力と関係を深め、首長の埋葬儀礼が統一されていったと考えられています。それが前方後円墳とそれに伴う儀礼です。中野地域が、東日本でも最も早い時期に古代国家統一への動きの中に加わっていたことを、高遠山古墳とその出土品は示しています。(中野市ホームページから転載 2016.10.6)

基本情報

お問い合わせ
中野市生涯学習課 文化財係 0269-38-3112
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