所有者 中野市 所在地 中野市立博物館
鉦鼓は仏教の道具であり、勤行(仏さまの前でお経を読んだり、礼拝する)の際に叩いて音を出す道具です。
この鉦鼓は大正5年(1916)11月20日に下高井郡夜間瀬村字堂平(下高井郡山ノ内町)で土屋重太郎氏が土中より発見しました。土屋氏は貴重なものだと考え、昭和7年(1932)に中野町立中野小学校に寄贈しました。昭和48年(1973)の中野小学校百周年記念に際して、中野市に移管されました。
中心の円形敲打部(叩いて音を出す部分)は文様がなく、直径は21.3㎝です。敲打部を中心に断面かまぼこ形の細い隆線(子持圏線)が2本めぐっています。胴部の上方左右には形の良い鰭状の吊り手があり、直径約1㎝の穴があります。
胴部には「観阿弥陀仏延慶元年11月1日」の銘文が刻まれており、鎌倉時代の末期の作になります。